pianotid ピアノの時間

40歳からピアノを始めて4年目。ピアノのこと、考えたこと、感じたことを書いています。

鍵盤の底

3年前に始めたピアノですが、初めてアップライトピアノアコースティックピアノ)に触れた時の衝撃は忘れられません。それまでキーボードで練習していたので、全くの別物で「打楽器!」と思ったことをよく覚えています。

コントロールがめちゃくちゃ難しい!鍵盤を操るはずが逆に操られてしまってる、変な感覚かもしれませんが、何か大きな生き物の手綱を持って乗りこなそうとしているような感覚になりました(実際に動物の手綱を持ったことはありませんがイメージで・笑)。

小さい頃からピアノを習っているとそれが当たり前なのだと思いますが、大人になってから初めてピアノに意識的に触れ、しかもそれまではキーボードだったので余計にそんな気持ちになったのかもしれません。自分でも面白い感覚だったと思っています。

 

自宅の練習は電子ピアノ、レッスンのグランドピアノ、スタジオで借りるアップライトピアノで練習しています。教室のグランドピアノは最近は少し仲良くなってきたかなー。スタジオのアップライトピアノはだいぶこちらが主導権を握れるようになったのでは。そんな感じでいます。

 

今回のレッスンで「鍵盤の底」のお話がありました。「底に向かって弾いてください」という話ではなく、「ここに底があるということを感じてみてください」と実際に音を出してみて確認。底まで弾くことが全て強く弾くことではなく、浅く弾く=弱い音でもない。「芯のある音」をを出すための感覚を探る感じでしょうか。

指先と手、腕(身体)でどんな感じで鍵盤を押す(弾く)か。

 

これまでは「正しい音を出す」「ある程度フレーズとして聞こえるように弾く」ことができればOKだったのかなと思いますが、発表会の曲になってさらに細かく「音の出し方」についての指摘があります。これまでにレガートが続く曲をあまり弾いてないこともありますが、まず指先、手、腕のコントロールが難しい。

 

そしてこのコントロールの難しさと変化がわかるのはやっぱりグランドピアノ。グランドピアノの方が変化がわかりやすい。

私の先生は基本はもちろんアコースティックピアノですが、電子ピアノでもOKな先生で「教室でグランドピアノの感覚を覚えていって、思い出しながら練習してくださいね」とおっしゃいます。でもそろそろ限界(半年以上前から限界)。環境でそうせざるを得ないとはいえもどかしい。最近スタジオに行くことが減っていたのですが、さすがに毎週借りて練習しないと厳しい気がしています。

 

「響かせる音の出し方」というものすごく基本的なことをやっているのですが、では今まではどうだったの?と振り返るとおそらくそれどころではなかったのでしょう。先生からはずっと指摘があったとは思いますが、とにかく弾く、音を出す、そんな感じだったのかもしれません。

ピアノを習っていておもしろいなと思うことは、過去にお話があったことが結びつくような瞬間がけっこう多いこと。それだけ難しくて時間のかかるものなのだなと毎回思います。結びついてもすぐ実現はできないのですが、それもまた将来につながるのかな。芸術に終わりはありませんね。