pianotid ピアノの時間

40歳からピアノを始めて4年目。ピアノのこと、考えたこと、感じたことを書いています。

みんなで音楽を楽しむ

「空港ピアノ」というNHKの番組があります。

空港の一角に置かれた誰でも自由に弾いていいピアノに定点カメラを設置して、ピアノを弾く人々の様子を撮った番組で、同じシリーズで「駅ピアノ」「街角ピアノ」があります。

昔住んでいた国の空港が出ていたのを見て知った番組で、なんて楽しそうなのだろう!と思って見ていました。ヨーロッパの空港や駅が多く、旅行した街の雰囲気を思い出して懐かしくなったのでした。

 

20年以上前にちょっとだけ北欧の田舎街に住んでいたことがあり、その時に日常に音楽が気軽な形であるなぁと思ったことがあります。

ピアノだけでなく、ギター、バイオリン、サックス……楽器を弾くことは別に特別なことでもなんでもなく、興味持ったらやればいい。もともと「人は人、私は私」という感覚が強く、自立した国民性と言われる国だったことも大きいとは思いますが、楽器を習っていることを特別視する雰囲気はありませんでした。

 

またある時イギリス人にピアノを弾けるか聞かれ、弾けないと答えると「日本人の女の子はみんな弾けると思っていたわ!」と言われたことがあります。日本人じゃない!みたいな言われ方をしてちょっと傷ついた記憶が……笑 多くの子がピアノを習うものね。

 

楽器もスポーツも、それ以外の趣味についても「やりたいと思ったらやればいい」そんな考えがしっかりあって、それぞれが好きなことをして楽しむ、その空気感が心地よいと思いました。

 

「ピアノ弾くの?すごーいっ」ではなく「いいね、素敵だね」と言ってくれる感じ。

私の周りがそうなのかもしれませんが、趣味が映画/音楽鑑賞、スポーツ観戦、読書などメジャーなものでなければ「すごーい!」という言葉を先に聞くような気がします。褒め言葉なのはわかるけれど「いいね」と言ってくれる方が、共感してもらえた感じになるので私は嬉しい。やっている本人はすごいとは思ってないですし。

 

音楽について言えば、その北欧の国では、教会の聖歌隊で歌ったり、自分たちでバンドをしたり、民族楽器を弾いたりそれに合わせて踊ったり、いろいろな楽しみ方がありました。誘われて行った同級生のバンドのライブ会場が教会だったのにはびっくり。

イギリスのパブではたいてい誰かが演奏し、歌っていて、街ではバグパイプだったりバイオリンだったり、それらが心地よく聞こえる程度に街中で演奏されていました(この点に関しては日本の街はそもそも音が氾濫しまくり。聞こえなければ意味がないから音量も大きくなるし、必要なものもあるのでしょうけど……)。

ヨーロッパで数カ国の若者が集った時、夕食後なんとなく集まっておしゃべりしていた中でみんなでポップスを歌ったりしていてちょっと驚いたこともあります。英語の歌はやっぱりみんな知ってる感じ。

 

楽器を演奏することができなくても、歌ったり踊ったり、体をゆらしてリズムをとったり、手拍子をしたり、音楽を楽しむ方法はいくらでもあります。

 

「空港ピアノ」でも連弾や太鼓、ハーモニカなどでセッションが始まることもあれば、友人やそばにいた人が歌ったり、体をゆらして楽しんだり。通りかかった人が人が話しかけたり。

ただ「すごーいっ」と思って聞くだけでなく、一緒に楽しむ音楽ができるのがいいなあ。

最近ふと思ったことでした。

 

レッスンはあいかわらず!都合で一週間空くので平吉毅州の曲の譜読みを絶対に最後まで終わらせる、が目標です。